戦前の少年犯罪

戦前の少年犯罪

ふと通りかかったサイトで紹介されていて、つい衝動買いしてしまったこの本。
 
テレビで垂れ流されている情報には、裏づけされた事実そのものよりも、無知なコメンテイターの感情のほうが多分に含まれているのだなぁ。
そして、その歪曲された情報を、何の疑いもなく、受け入れてしまっていたのだなぁ。と、目から鱗
 
年配の方たちが、「昔」を美化して語るのは常日頃感じていることだったけれど、「昔の子どもは純朴だった」「物質的に恵まれていなくても心は豊かだった」「規律正しかった」「けんかしても限度をわきまえていた」「現在の若者の凶悪犯罪が多発するのはゲーム脳のせい」と、少年犯罪が起こるたびに当たり前のように報道されていることを、そのまま受け入れてしまいがちな自分を反省。
根拠のない、タダの懐古趣味的な感想でしかなかったそんな情報を、疑い、批判しながら見るという習慣を身につけないと、「現代の子どもたちは昔と比べおかしくなっている」という思い込みが、事実として語られ、後に伝えられていってしまうことになるのだろう。
 
現在も、戦前も、子どもの本質が変わったわけではなく、猟奇的な事件は、昔から変わらずに存在している。むしろ、数だけを比較すれば、昔のほうがずっと多いようだ。
 
過去の新聞記事を丁寧に調べ上げ、短いコメントとともに並べられたドキュメンタリーは、今の時代の中で、子どもたちを色眼鏡で見るのを防ぐにはとてもよい本だと思う。
 
少年犯罪は、凶悪化しているわけではないし、増えているわけでもない。
それが事実。
今の子は、昔の子よりもおりこうさんがおおいかも?
そして、お年寄りがお行儀が悪くてキレやすいのは戦前の教育が悪かったのだというのが感想。
 
結論。
じーちゃんばーちゃんの言うことと、テレビで偉い人のいってることは、話半分に聞き流そう!