おきにいり

 
こないだシチューを作ろうと思ってバターと小麦粉を泡だて器で練っていたら、泡だて器の柄が、プラスチックのもち手の根元からバキっと折れてしまいました。
 
不吉なっ!
と思いましたが、よく考えるともう寿命。
もう10年位前、1人暮らしをするときに買ったELLEの紺色のかわいいやつ。
 
1人暮らしの頃は、ご飯も作らずお菓子ばっかり作っていたっけ。
電動のも持ってたんだけど、この自力でシャカシャカがないと、お菓子を作った気がしなくていや。
専業主婦の頃は、お誕生日やバレンタインとか、家族のイベントの時にはケーキを焼いていたんだけど、男兄弟で育ったたけちっちは、ケーキ作りを見るのが初めてで、あたしの楽しみにしている泡立て作業をやらせてやらせて!と横取り。
かっちんやあしゅと一緒だわ。
 
そういえば、あたしがこっちに引っ越してくるまでたけちっちにご飯作ったことなかったから、結婚して初めてオムレツを作ったとき、ちゃんと食べられるものができたとほっとして
たなぁ。
 
でも、その後は怪しい創作料理を食べさせられることになるんだけどね。
ほっとして損したね。
 
かっちんもあしゅも、キッチンデビューは2歳。
卵を自分で割り、殻入りのホットケーキを作ったときも、大活躍した泡だて器さん。
 
キッチンが大好きで、2人ともよく泡だて器を持ってボールをかぶったり、鍋に入ったりと、シンクの下に入っている危なくない調理器具たちはすっかりおもちゃでした。
 
こんな泡だて器ひとつにも、いろんな思い出が詰まっているのってなんか不思議な気分。
 
子供の頃大好きだったぬいぐるみのように、今はこの泡だて器がなんだかかわいく見えてきて、ちょっと破れたくま君の足に包帯を巻いたように、テープでも貼ってみようかとも思ったのだけど、どうやら修復不可能のよう。
 
 
しかたない。新しいおきにいりを探しに行こうかな。
できるだけ安いやつね。